昭和大学病院/昭和大学附属東病院 診療科ガイド2024
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こちら詳細は昭和大学病院 膵がん治療センター19■ ICG蛍光法のさらなる進歩2008年当科教授の青木がICG(ジアグノグリーン)を用いた肝区域染色を世界で初めて報告し、color coded surgeryのパイオニアとしてこの領域を牽引。現在、消化管領域では、確実な腫瘍部位の同定、センチネルリンパ節の評価、血流を意識した腸管切除・吻合に実践しているほか、絞扼性イレウスなどの緊急手術においてもICG蛍光法を用い、腸管壊死・血流障害の有無を評価し確実な手術を心がけている。肝胆膵領域においては、複合現実の技術や超音波アタッチメントの開発によるICG穿刺ルートの精度向上に取り組んでおり、腹腔鏡下およびロボット支援下切除に同技術を応用している。■ 腹腔鏡手術からロボット支援下手術の時代へ2023年より、積極的にロボット支援下手術に取り組む。本手術は、3D高精度拡大画像のもと、多関節機能を有する鉗子を用いて、手ぶれのない正確な操作を実現しており、今後の外科手術の大きな潮流になることが期待されている。現在の胃癌・ 診療内容■ 膵がんの手術■ 膵がんの化学療法・放射線療法■ 早期膵がんの診断・治療■ 遺伝子パネル検査を用いた患者さん毎の個別化治療大腸癌・肝部分切除・膵体尾部切除の手術に加え、今後肝亜区域切除、膵頭十二指腸切除においても実施する準備が整っており、患者さんにとって合併症の少ない、より安全で根治性の高い低侵襲手術を提供する。■ 人工知能(AI)を駆使した低侵襲手術の開発 Anout社と共同し、人工知能(Artificial Intelligence:AI)を用いた手術支援システムをいち早く手術の場に取り入れ、外科医による解剖学的ランドマークの認識をサポートし、より精緻で安全な手術を目指す取り組みを行う。2023年当科にてAIをもちいた肝切除に関する報告が世界で初めて論文報告された。 ■ 膵がん治療センター開設2024年4月より新たに膵がん治療センターを開設し、センター長に山上裕機特任教授が就任された。消化器内科や腫瘍内科、放射線科とも連携し、早期膵がんの発見・高度進行膵がんに対する昭和大学オリジナルの集学的治療を提供し、膵がん治療の更なる成績向上を目指す。■ 2024年4月1日より、消化器・一般外科部門に膵がん治療センターが開設された。■ 進行膵がんに対しても『あきらめない膵がん手術』を行う。■ とくに動脈浸潤(肝動脈などの主要動脈まで膵がんが広がっている状態)に対して、術前に十分な抗がん剤治療と放射線療法を行い、動脈を合併切除する手術を行う。■ 早期膵がんでは膵中央切除術を行い、手術後の膵臓機能を保つ術式を行う。Pancreatic Cancer Treatment Centerセンター長 /特任教授山上 裕機Hiroki Yamaue専門分野:膵がん私の強み:『あきらめない膵がん手術』が私の信条です。いままで数多くの膵がん手術・膵がん集学的治療を担当してきました。特に、他施設では切除できない進行膵がんの患者さんにも安全・確実な手術を行っています。また、膵がん化学療法や放射線療法に取り組み、遺伝子パネル検査を用いた患者さん毎の個別治療にも積極的に関与しています。TOPICSTOPICS膵がん治療センター(新設)

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