1.栄養サポートチームの役割とは?
聖マリアンナ医科大学 横浜市西部病院では2002年に、「栄養サポートチーム」を立ち上げました。生きるうえで必要不可欠な「栄養」に特化した医療チームである、栄養サポートチームの役割と活動についてご紹介します。
入院患者さんの栄養問題を支援する 栄養サポートチーム
生命活動を行ううえで欠かせない栄養は、病気を快方へ向かわせる重要な因子の一つでもあります。入院患者さんは栄養状態が良好とは限らないため、疾患の治療に加えて正しい栄養管理を行うのも医療スタッフの大事な役割。そこで結成されたのが「栄養サポートチーム(NST)」です。医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、リハビリスタッフなど、診療科や職種の枠組みを越えたメンバーが協力し、食事や点滴など栄養に特化した医療を計画・実施しています。
病棟からの依頼を受けたNSTはメンバーが各分野の専門家として知見を持ち寄って、栄養状態に問題を抱える患者さん一人ひとりに添った改善策を探ります。栄養療法を正しく行うことは疾患の改善、合併症の防止はもちろん、患者さんの生きる力を育むことにもつながります。その重要性を心に刻み、日々活動を続けているのです。
NST専従看護師にインタビュー
患者さんに寄り添う看護の基本と 栄養の知識を活かしてサポート
NST専門療法士
集中ケア認定看護師
川畑亜加里さん
私は当院に勤めながらNST専門療法士の資格を取得し、NST専従看護師として働いています。NST専門療法士は静脈栄養や食事を含めた栄養学などの知識を活かして、患者さんの栄養状態を良好に導く手立てを考え、メンバーと協力して取り組みます。
栄養管理を行ううえで大事にしているのは「患者さんの声に耳を傾けること」。栄養状態が悪い理由はさまざまあり、身体機能的背景だけではなく認知症のため、摂食障害のためなど心理的問題や社会的背景、家庭環境による場合もあります。ですからなぜ食事ができないのか、患者さんはどうありたいのかという想いを聞くことを重視しています。そうした意思を尊重したうえで栄養管理を行うのは、患者さんやご家族の気持ちに寄り添う看護の一環であり、看護師だからこそ担える役割だと考えています。