病棟看護師、専門チームとの連携
急変を防ぐには、患者さんを近くで見守る病棟看護師の力も欠かせません。また、院内にはクリティカルケアとは別の専門性を活かして患者さんを支える看護のスペシャリストも。クリティカルケアナースラウンドチームの周辺で活躍する看護師たちをご紹介します。
Interview 病棟看護師
慢性疾患の病棟看護師にとって
不慣れな急変時に頼れる心強い存在
代謝・内分泌内科病棟 看護師
辻本眞子さん
代謝・内分泌内科は慢性疾患を主に扱います。とはいえ患者さんに急変の兆候が見られたり、救命救急センターから急性期かつ内分泌疾患を抱えた患者さんが移動してきたりすることも。そうした患者さんが大事に至る前の段階で、私たちが相談する相手がクリティカルケアナースラウンド担当の看護師です。毎朝の定期ラウンドの際に相談するほか、気になったときは専用PHSに電話しています。「医師に時間を取ってもらうほどでもないかな?」と迷うような状態でも気軽に意見が求められるので助かります。
クリティカルケアナースラウンドチームの看護師は急性期看護の知識・技術に精通しているので、急性期看護に不慣れな看護師も多い当病棟にとっては心強い存在。看護師目線でのわかりやすいケア方法や注意すべき点の助言がもらえるのは、看護師同士ならではのよさです。「評価指標に沿って患者さんの状態をチェックしては?」とのアドバイスをもらい、病棟看護師でアセスメント方法を見直してからは、患者さんが危険な状態におちいる前の初期症状を察知できるようにもなっています。
Interview 緩和ケア認定看護師
お互いの専門性を発揮しながら
患者さんを支える仲間
緩和ケア認定看護師
緩和ケアチーム専従看護師
副師長
藤本晴美さん
クリティカルケアナースラウンドチームが病態の悪化する兆しを見逃さず、急変の発生を未然に防ぐのが使命であるならば、緩和ケアチームは病状により、痛みやその他の身体的、精神的、社会的な苦痛を抱えている患者さんやご家族に、より早期に対応し、苦痛の緩和をはかり、生活の質(QOL)の維持、向上を目指す使命があります。
一見全く違う視点で関わっているチームではありますが、どの患者さんにも急変するリスク、病状の進行などに伴う苦痛の増強というリスクは抱えています。
どの病期の時期であっても、クリティカルケアの視点、緩和ケアの視点という関わりが必要で、患者さんの状態によって、それぞれが専門性を活かし関わりを持っています。入院している中で同じ患者さんに関わることもあり、お互いのチームラウンドでクリティカルケアナースラウンドチームから、緩和ケアが必要な患者さんの連絡をもらったり、緩和ケアチームからクリティカルケアナースラウンドチームに情報提供をしたりして、連携しながら患者さんを支えています。
院内を横断的に活動しているチームだからこそ、いつでもどこでも患者さんやご家族のために、専門性を発揮しながら関わっています。
クリティカルケア領域のスペシャリストたち
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