「何を大切に看護するか」 自ら考え、もう一歩前へ
東邦大学医療センター大橋病院

「何を大切に看護するか」 自ら考え、もう一歩前へ 東邦大学医療センター 大橋病院

相互の成長を支える教育

入職後の新人看護師にはさまざまな教育制度が整えられています。新人看護師には1名のプリセプターがつき、新人研修の中心的役割を担っている新人指導責任者をはじめ、部署のすべての看護師で新人を支える体制を整えています。1年間かけて看護師としての基礎を育んでいく教育制度の特徴をピックアップしました。

4週間のシャドウイング研修

シャドウイング研修では、まず先輩の働く様子を見て、次に先輩とともに看護を実践して基礎的な経験を積み、終盤は先輩の受け持ち患者さんを一緒に担当します。4週間のシャドウイング研修の間、新人看護師は同じプリセプターと行動を共にします。信頼できる先輩をつくることで新人の緊張を和らげ、職場に早く慣れ、部署の一員となれるようにとの思いも込められています。
心を許せる先輩がいると疑問点や興味を抱いた時に質問がしやすくなり、自ら発信し、学ぶ姿勢が新人のうちから養われていきます。また、先輩看護師にとってもプリセプター役を務めることが学びにも繋がっています。基本を振り返り、看護の根拠や必要性を言語化することで自らも学び、ともに成長する機会となっています。

プリセプター・プリセプティ会

新人看護師を中心とする「プリセプティ会」を月に1回実施しています。新人指導責任者や師長をまじえ、1か月間の学びや悩みを言いあい、解決できるようにしています。また、同期との絆が深まる息抜きの場でもあります。部署によっては医師が参加する勉強会も行われ、新人が勉強したことを発表し、医師に気兼ねなく質問できる場にもなっています。
「プリセプター会」はプリセプターやプリセプター以外の先輩看護師、師長、新人指導責任者が参加し、今後の指導計画を練っていきます。情報を共有し、新人一人ひとりの成長状況を把握でき、部署全体で新人をバックアップする態勢が整えられます。

新人が学びたいテーマで行うオープン研修

シャドウイング研修、フィジカルアセスメント研修、体を動かしてストレス発散できるリフレッシュ研修などを経て、1月頃には「オープン研修」を実施しています。この研修は新人看護師から学びたい内容と方針を募り、希望が多いものをテーマに設定して実施します。テーマを募集するのは「与えるだけではなく、自ら考えて行動する」という看護部の教育方針の一つとも言えます。
自分たちが学びたいことや、これまでの研修や業務での実践だけではまだ不安が残るものを、しっかりと身につけるチャンスです。メインテーマの内容はもちろん、それまで習ったことをトータルで振り返って活かせるような方法を考えて、研修内容が組まれます。

ユマニチュード研修

ユマニチュードとは「見る、話す、触れる、立つ」という4つの要素を柱としたケア・コミュニケーション技法です。高齢者や認知症の患者さんと良い関係が築けるように取り入れています。
研修ではテキストや、この技法を活用して高齢者をケアする映像で学ぶほか、新人看護師が高齢者役と看護師役にわかれたロールプレイも実施しています。耳栓やグローブを着用して高齢者の疑似体験をし、看護師がユマニチュードの技法を使った場合と使わない場合の受け手の感じ方の差を体験します。
新人のうちにこの技法を学ぶことで、高齢者の尊厳を支える看護の実践につなげるとともに、患者さんの思いに寄り添う看護の大切さを基本姿勢として身につけることができます。

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