仲間の支えが看護への情熱を突き動かす!
急性期病院の新人ナース(オペ室編)
彩の国東大宮メディカルセンター

仲間の支えが看護への情熱を突き動かす!急性期病院の新人ナース(オペ室編)

支え人2 看護師長
「ここで働き続けたい」と思えるように、
職場環境の整備に尽くす

看護師

オペ室所属長(係長) 上ケ平 美香さん

(オペ室勤務、入職8年目)

看護師歴22年。彩の国東大宮メディカルセンターが移転の際、グループ病院から転勤し、同院の病棟勤務を経てオペ室の所属長となった。

新人ナースには、愛情をもってサポート
職場の“おかあさん”的な気持ちで見守る毎日

上ケ平看護師長も、新人の菊池看護師を見守る一人だ。入職8年目のキャリアを持ち、所属長としてオペ室の看護師たちを統率する。
菊池看護師を含む新人ナースの健康面や職場環境に気を遣うことも、所属長としての重要な役割だという。
「職場に溶け込めているかをしっかり見ています」、そう語る上ケ平看護師長は二児の母でもある。
「生活環境の変化や看護師という仕事を始めることだけでも、新人時代は大変だと思うんです。だから仕事面だけではなく、生活面との両立もサポートしてあげたい」。
具体的にどのようなサポートをしているか聞いてみた。
「実家が遠方だと、新人ナースは“長期休みを取りたい”とはなかなかいえないんです。でも、入職したばかりの頃は実家に帰りたいだろうし、こちらも少しリフレッシュして、また新たな気持ちで仕事に取り組んでほしいと思っています」。
だから、新人たちには優先的に長い休みを取るようにすすめているそうだ。
「“お正月は長期休暇を取ろうね”といって、スタッフで調整をしています」。
オペ室の所属長として、現場や自分自身がどれだけ忙しくても、新人たちへの気遣いを忘れない。新人たちがオペ室に急ぐときも、手術着やゴーグルの着用などの確認や手伝いを行い、「あわてないように」と声かけをして送り出す。

業務の様子

“オペ室のお母さん的な存在”といえる上ケ平看護師長だが、実際に新人ナースから悩みの相談を受けることはあるのだろうか。
「プリセプターや看護主任がいるので、私のところに直接悩みを相談に来るのはよっぽどのときですね」。
新人には、プリセプターや看護主任と面談する日を定期的に設けているので、そこで相談をすることが多いようだ。
「一般職から所属長には声をかけにくいかもしれないので、他愛もない雑談をするようにして、ふだんからなんでも話せる関係性をつくるように心がけています」。

スタッフみんながワークライフバランスを大切にしてほしい
そのために所属長としてできる各種整備を最大限に行っている

所属長に上がってくる相談の中には、退職を考える看護師の悩みもあるのだろうか。
「コロナ禍で実習に行けなかった学生が増えてきている影響もあり、オペ室のイメージだけで配属を希望して、自分の思い描いていたイメージとのギャップに戸惑い悩む新人ナースはいます」と教えてくれた。
「ただ、看護師の仕事は諦めてほしくない。せっかく学校に通って国家資格を取ったのだから、特定の部署が合わなかったからといって退職させてしまうのではなく、その子に合った道を一緒に考えていきたい。一度は“やめたい”と思った子たちが、違う部署でいきいきと仕事ができればいいなと思っています」。
配置換えとなり、オペ室とは離れてしまった看護師にも積極的に声をかけて、異動した部署での様子を聞くようにもしているという。

業務の様子
新人たちの学習意欲が低下しないよう、
どんなに忙しくても丁寧に答えアドバイスをするように心がけている。

では、どのような“人財”がオペナースに向いているのだろう。
「オペ室というのは、他職種と連携するチーム医療がより明確になる場所だと思います。災害医療や救急医療につながる場所にもなるし、ロボット支援手術などの最先端治療も学べます。だから自己研鑽を惜しまず、新しいことも学んでいく意欲のある人が向いているのではないでしょうか」と上ヶ平看護師長。オペ室の特性や、病棟とは異なる業務体系であることも教えてくれた。
一方で、プライベートの時間も大切にしてほしいと話す。
「看護師という仕事に就いたなら、長く続けてほしい。そのためには、ワークライフバランスが重要です。私自身、できるだけ楽しく仕事ができたらいいなと思いますし、そのためにはスタッフの働きやすい職場を私がつくっていかなきゃいけないなと」。
オペ室は厳しく過酷な現場・・・と想像していたが、彩の国東大宮メディカルセンターのオペ室は明るく朗らかなムードで、新人もベテランも関係なくスタッフ同士が和気あいあいとしている。
しかし、ひとたび手術の時間が近づくと、担当スタッフたちの表情はキリリと変わり、みんなで声をかけ合い機敏に準備を始めて、速やかにオペ室へと急ぐ。その姿はまるで、これから戦いのフィールドへ向かおうとする「アスリート」のようだ。
緩急の利いたメリハリのあるオペ室の空気や、スタッフ間で感じられる思いやりの雰囲気は、上ケ平看護師長が日々心をくだいているあらわれだろう。

支え人3  同期スタッフ
同期がいるから、互いに切磋琢磨できる!
どんなときでも心強い味方!!

看護師

新人ナース 津谷 葉月さん

(オペ室勤務、2022年4月入職)

ロボット支援手術に興味を持ち、高度な最先端医療を学べる同院へ入職。スタッフ間の関係性が良好そうだったのも、ここで働きたいと思う決め手になった。

看護師

新人ナース 峯 稜一朗さん

(オペ室勤務、2022年4月入職)

消防士志望だったが、看護師として救える命もあるのでは…と考え進路転換。患者さんとの関わりを大切にするという理念に共感し、同院へ入職。

興味のある分野や、なりたい理想像について考えてみる
そこから“自身の進みたい看護への道”が見えてくる

津谷と峯の両名は菊池看護師の同期であり、同じくオペ室のルーキーだ。
「オペナース」という、病棟看護師とは雰囲気も業務も異なる職場への配属に、二人ともギャップや戸惑いはなかったのだろうか。
「ギャップはなかったですね。入職時の希望は救急科だったので」と峯看護師。
「もともと幼少期から消防士を目指していて、不安や恐怖を感じている人を助けたいと思っていました。進路を転換して看護師になりましたが、今もその気持ちは変わりません」。
厳しい現場で人のために働きたいという想いがあったからこそ、オペ室で働くことにも抵抗は感じなかったそうだ。
同様に、津谷看護師もギャップは感じなかったという。
「私は前職で歯科助手をしていて、口腔外科のオペに入ることもあったので・・・」。
口腔外科手術の経験が、現在のオペ室での業務に活かされているのだろう。
就職先の病院を選ぶうえで、重要なポイントを聞いてみた。
「“こういう分野をやってみたい”という希望が少しでもあれば、それに合った病院を選ぶのが一番良いと思います」と津谷看護師。自身もロボット支援手術に興味があり、実際にロボットを活用している同院を就職先として決めたと話す。
峯看護師は、「なりたい理想像をイメージして、それに少しでも近づけたら、この仕事を選んで良かったと思えます。目指すべき将来像が急性期医療の現場だったので、オペ室の業務がきついときでも、それ以上にやりがいを感じられます」という。そしてまた、「手術は患者さんにとって恐怖の対象なので、それを少しでも和らげてあげたい」とも。
オペ室では、病棟のように患者さんと接する機会は少ない。その分オペナースとして、峯看護師は患者さんが手術を安心して受けられるように、少しでも患者さんの助けになりたいと常に思っているそうだ。
津谷看護師は、オペ室勤務のやりがいについてこう語る。
「不安を感じている患者さんに、手術についてしっかり説明ができたときや、スムーズに機械出しができたり、医師とコミュニケーションを取って手術を進められたときです」。
大変な業務の中で見出す小さな喜びや自信が、ルーキーたちを日々確実に成長させている。

業務の様子

落ち込んでも、そばで先輩や同期が支えてくれるから
「またがんばろう!」という気持ちがチャージできる

オペ室の人間関係や、スタッフからのサポートについてはどうだろうか。
「先輩たちがフォローや声かけをしてくださるので、安心して仕事に取り組めます」という津谷看護師は、自分から先輩に声をかけるのが苦手なタイプらしい。しかしオペ室では、先輩から「今日のオペはどんな感じだった?困ったことはなかった?」といつも声をかけてくれるため、自分の気持ちを話しやすい職場だと感じているそうだ。
峯看護師も、「一緒に手術に入る先輩が事前に声をかけてくれるため、安心して臨めます」と話す。確かにオペ室のコントロールセンターを覗くと、スタッフ同士がよく会話をしており、新人ナースたちへの声かけやアドバイスをする様子も見られ、コミュニケーションが盛んであることがうかがえる。手術前でもピリピリとした雰囲気は微塵もないが、手術を受ける患者さんへの丁寧な対応と、スタッフたちの真剣なまなざしや表情、キビキビとした動きに、思わず記者の背筋もピンと伸びる。
この空気感の中で、先輩たちの真摯な仕事ぶりを見て学び、あたたかい見守りを毎日感じながら、津谷も峯もきっといつかは後輩の気持ちがわかる心やさしい先輩ナースに育っていくだろう。

業務の様子
オペの終了後も、疑問に感じた点を調べたり、疾患について復習したりと、
同期で一緒に学びを深め合っている。

同期同士の存在についても聞いてみた。
「自分がいっぱいいっぱいで大変なときに、初めてのオペで緊張しながらもがんばっている同期を見ると、その気持ちがわかるから“私もがんばらなきゃ”って思えます」と津谷看護師は微笑む。
「同期の存在は大きいと思います」と語る峯看護師は、何度かやめたいと思ったことがあったそうだ。しかし、がんばっている同期の姿をそばで見ていたら、“自分もがんばろう!”という気持ちに戻れたと語る。特別な言葉をかけ合わずとも、「同期」という互いの存在は心強いのだという。
「同期はやっぱりいいなって。お互いを支え合うのが、この同期たちで良かったと思います」、そう言って津谷と峯は笑い合った。

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